2022年 年頭の辞
知的資産・資本の分野が非財務情報開示の中核的領域の1つに

2022年1月
WICIジャパン 代表理事
青山学院大学名誉教授
東京都立大学特任教授
北川 哲雄

非財務情報のグローバルな開示基準作り

周知のようにあれだけ乱立気味のあった非財務情報開示基準の設定は2021年大きな動きがあり統一化の方向に向かい始めました。今年2022年果たしてどのような年になるでしょうか。

私はIFRS財団によって設立されたISSB(国際サステナビリティ基準審議会)の主導によりグローバルな開示基準作りが今後進んでゆくものと予想しております。

やがてIASB(国際会計基準審議会)とのブリッジングもなされることになるでしょう。その際、統合フレームワーク(VRF, Integrated Reporting Framework)をどのように考慮するかも重要な論点になると思います。

非財務情報開示の保証・監査

数年を待たずしてISSBによる体系的な基準が設定されることになったとき、開示事項のAssurance(保証)あるいはAudit(監査)を誰がどのように担うかという問題も出てくると思います。

企業にとっては十分に練られた無理のないAdaptive (適切)なものであれば歓迎することになるでしょう。

財務会計基準設定におけるIFRSの歴史はまことに生産的でdue process を重んじた、かつ迅速なものでした。ISSBもまさにそのような期待を抱かされます。

2022年WICIの役割

WICIが日頃深耕して研究している知的資産・資本の分野はISSBにとてもこれからの中核的な領域の一つです。鋭い研究成果を今年も上げて行こうではありませんか。

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