目的

本表彰制度の目的は、事業活動実績の財務報告に事業活動の価値創造を支える見えざる経営資源を加え、事業活動における両者の関係と結びつきを簡潔・明瞭に表現することにより、ステークホルダーが当該企業の価値創造活動を一層適確に捉えられるようになる報告書の作成を企業に促すことにあります。

このような報告書が継続して提供されれば、企業とそのステークホルダーとの双方向コミュニケーションが高められ、企業の価値創造ストーリーを適確に捉えられるようになることを通して、事業体と社会の持続可能性を向上させることに繋がるものとWICIは考えております。

このような報告書の作成・提供は、WICIが協力団体となっているIIRCが展開する事業報告活動と軌を一にするものに他なりません。 具体的には、本表彰制度の審査において受けた評価を次年度以降の「統合報告活動」の取組みに反映できるように促すことで、統合報告の向上につなげることを主たる目的とし、「統合報告」「コーポレート レポート」「アニュアル レポート」等の名称の如何を問わず、直近の最終決算期末を基準とした年次報告として、上場会社が発表したものを対象に審査を行います。

審査ポイント

  1. IIRCが定める<IR>フレームワークに定める必須記載事項を反映して、財務情報と非財務情報が定量的、定性的に整理され、またそれらが統合的に企業の価値創造力を示すよう工夫され、当該発行体の「価値創造ストーリー」が簡潔明瞭に記されているか。
  2. 過去の事業活動で達成された成果と残された課題が整理され、それと今期の実績との繋がりが明確にされていると共に、それらを踏まえた将来の事業展開に関する戦略が、そのリスクと合わせて適確に見通せるようになっているか。
  3. 営む各事業活動の価値創造ドライバーがKPI等を使って示され、経時的ないしピアグループ間で比較できるような形で提供され、また他の財務・非財務のデータとの繋がりが示されているか。
  4. 事業活動の長期にわたる持続可能性を支えるESG情報が提供され、当該発行体に相応しいガバナンス、経営監視体制が保たれているか。
  5. 経営執行陣が自社の資本コストを自覚し、上場企業として株主への意識、及びその他のステークホルダーへの配慮とのバランスをもって経営に取り組んでいるか。

審査プロセス

第1次審査:東京証券取引所市場第一部上場銘柄のうち、時価総額上位300社をリストアップし、上記「審査ポイント」に照らし、名称の如何にかかわらず<IR>に相当する年次報告書を発行している企業を選別。加えて、時価総額上位300社には含まれていないが、<IR>に相当する年次報告書作成していると判断できる発行体も対象としている。

第2次審査:上記第1次審査企業の発行する<IR>について、上記の「審査ポイント」を<IR>の一般的な構成に応じた具体的な評価項目に分解して、委員会事務局が独自に作成した「WICI統合報告優良企業1次審査シート」により評価。これに基づき、一定以上の評点を得た1次審査企業を相対的に比較し、本審査候補企業として審査委員会に提出している。

審査委員会:審査委員会では、事務局より選出された本審査候補企業リストの評価を行った後、第2次審査項目について評価を実施。審査委員の2次審査シートによる評価が揃ったところで、審査員が集い、審査委員長の司会進行のもと、2次審査会を催し、審査シート評点の実スコアおよびその偏差値スコアを勘案し、各審査委員の評価、推薦を基礎として、最終審査の対象企業を選出している。

第二次審査の詳細項目はこちら

最終審査:最終審査候補の<IR>を全ての審査対象企業と利害関係を有しない審査委員が精読し、上位5社の順位付評価、及び各賞の表彰基準(前年基準)に従った表彰推薦企業の推薦意見を付した上で提出。審査委員からの審査結果が揃ったところで、最終審査会を開催し、厳正な審査のための議論を経て、表彰企業の選定が決定する。

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受賞概要

  • 優秀企業賞(ゴールド・アウォード):2019年度までの「優秀企業大賞」に対応する表彰
    統合報告書としての完成度が極めて高く、他の企業の統合報告の模範となる統合リポートであり、かつ統合的思考で経営が実践され、中長期の価値創造力が各ステークホルダーとの関係で分かりやすく示されており、今後も企業価値を高めていくことに期待が持てる企業。
  • 優良企業賞(シルバー・アウォード): 2019年度までの「優秀企業賞」に対応する表彰
    統合報告書としての完成度が高い、または、財務・非財務の情報が十分に記載されており、統合報告書としての重要な内容要素が織り込まれ他の企業の統合報告の範となりうる企業。
  • 特別企業賞(ブロンズ・アウォード):2019年度までの「奨励企業賞」に対応する表彰
    優良企業賞(シルバー・アウォード)には至らないものの、統合報告として求められる要素において、特に優れた特長、工夫などが見られ、他の企業の統合報告作成において大いに参考となりうる統合リポートであり、将来の優良企業賞(シルバー・アウォード)に値する報告書の発行が期待される企業。

2020年度表彰企業

2020年WICI統合リポートアウォード表彰の結果報告はこちらから

(アイウエオ順)

優秀企業賞(ゴールド・アウォード)
 伊藤忠商事株式会社
 株式会社日立製作所

優良企業賞(シルバー・アウォード)
 味の素株式会社
 株式会社エヌ・ティ・ティ・データ
 株式会社三菱ケミカルホールディングス

特別企業賞(ブロンズ・アウォード)
 カゴメ株式会社
 住友金属鉱山株式会社
 東京応化工業株式会社
 日本ユニシス株式会社