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価値創造の対話が始まる統合報告書
「経営デザインシート」で価値創造ストーリーを描く

どのような言葉なら伝わるか

開催要領
2023年 経営デザインシート(KDS)活用の統合報告セミナー

  • 主催者:WICIジャパン
  • 開催日時:2023年2月~2023年5月,1回約2時間 ( 13:05から14:50, 18:30~20:30) 全5回開催
  • 開催場所:ZOOM
  • 対象:統合報告(書)の作成支援をされている企業や担当者、今後作成支援をしたいと考えている企業や個人、サステナビリティ関連財務情報の開示に関心のある会計人やアドバイザリー
  • 募集人数:10~30名程度
  • お申し込み期限: 定員となり次第締め切らせて頂きます。1回目を録画視聴、2回目からライブでの参加も可能です。
  • 受講費用(全5回分,消費税込み)
     非会員法人1枠 6万円(1企業から2名まで)
     法人会員 1枠 3万円(1企業から2名まで)
     個人会員 1名 1万円

     ※1企業から3名以上ご参加の場合、人数に応じた枠数でお申し込み下さい。
     ※お申し込み後、部門に新任の方の着任などありましたら、人数増でも追加料金なくご一緒に受講いただけますのでご相談ください。
     ※同一のグループ企業(連結)内の異なる企業や部門からのご参加も歓迎します。
  • 合同開催:第1回、第2回及び第5回は、並行開催する事業会社向けのセミナーとの合同開催となります。
  • 時間帯:初回と最終回を夜、他の3回を日中の午後の開催とし、業務として受講しやすい環境を整えました。
  • ご準備:Zoomの接続環境をご準備下さい。各回のワークでGoogleフォームやGoogleスプレッドシートを使います。GoogleにログインできるメールアドレスやPCをご準備下さい。
    社内ネット環境のご都合でGoogleのツールにアクセスできない際は、お手数ですがスマホとキーボードなどでご対応ください。
  • 同時開催の支援会社向けとの関係
     制作支援会社、監査法人、コンサルティングファームの方はこちらの支援会社向けを受講ください。 
     事業会社のIR, 広報, 経営企画等の方は事業会社向けをご受講ください。
     企業グループ内の制作支援ご担当者は事業会社向けでも、こちらの支援会社向けでも、どちらでも問題ありません。
     金融機関・投資家で自社・自行の経営企画やIRに主眼がある場合は事業会社向けを、融資先や投資先のサポートを担当なさる方はこちらの支援会社向けを受講ください。

本統合報告セミナーのゴール
自社(支援先)の個性であるインタンジブルズ(人的資本を含む)をどう動かせば、ありたい未来において長期的に価値創造を続けられるのか、統合思考の経営を指向し、自由演技の開示に焦点をあてる

  1. 未来において企業(支援先)が創造する価値は、社会価値、環境価値なども含むものであり、投資家による企業の評価である時価総額に、これら幅広い価値創造への共感が一定程度反映されるような、自由演技の開示を目指し、規定演技(※1)の開示を使う
  2. 人的資本を含む自社(支援先)に特有のインタンジブルズ(見えない資源,個性)を、どのようなメカニズムで、中長期の実際の価値に結びつけるのか、その自社(支援先)の未来の骨格(価値創造メカニズム)を構想し、価値創造のストーリーとして描く
  3. 価値創造ストーリーを、どのような言葉と指標(KPIs)で伝えたら理解され続けるのか、経営デザインシートを実際に使いながら、十分な納得感を生む統合思考の構想(デザイン)と表現を探っていく

本セミナーでは、この目標を達成するために、自社(支援先)の価値創造を起点とします。価値感と価値創造(第1回)、インタンジブルズと価値創造(第2回)、価値創造のKPIs(第3回)、価値創造と将来利益やPBR(第4回)と、多面的に深掘りするワークと持ち帰り課題を用意しています。

上記ワーク等を通じて、第5回の発表会までに「自社(支援先)の個性であるインタンジブルズによる長期的な価値創造」といったサブタイトルの発表資料を構想していただき、多くの方に発表いただくことを期待しています。

※1 ハードロー、ソフトローによる義務的な開示項目についての開示をここでは「規定演技」といい、制約が少なく企業が自由に開示の対象と表現を創意工夫できる開示を「自由演技」という。

統合報告セミナー [支援会社向け] お申し込み

お問い合わせ:
(WICIジャパン事務局) wj-info@wici-japan.com

(運営担当 鈴木健治)wici-j@kval.jp

開催趣旨 〜企業の価値創造とサステナビリティーをつなぐインタンジブルズの重要性〜

2023年1月

WICI グローバル前会長

WICIジャパン 常務理事

住田 孝之

 今や700社を超える日本の大企業が統合報告を公表し(※1)、その数は世界でも最多レベルです。数年前には、評価が低かった質の面でも、WICI ジャパン 統合リポート・アウォードの審査の講評にもみられるように、優れたものが増加していることは間違いありません。

 それでも海外からの評価では、辛口のものも依然として存在するようですが、その原因は、売上高利益率や、簿価と時価総額の比率であるPBRという財務的な結果が、価値創造に関する説明を十分に説得的なものにするレベルになっていないことが一つの原因であるように思います。

 将来において企業が創造する価値は、社会価値、環境価値なども含むものであり、今や投資家による企業の評価である時価総額においてもそれが一定程度反映されています。では、企業の本来の価値創造の実力について、統合報告書等を通じて投資家により説得的に伝えるにはどうしたらよいのか。ポイントになるのは企業固有の価値創造メカニズムが図だけでなく、ストーリーとして説明できていない点ではないでしょうか?

 特に、個々の独自の価値観に基づく価値創造に向けた、自社特有の無形資産インタンジブルズ)を活用のされ方や、それがどのように実際の価値に結びついていくのか価値創造メカニズム)のストーリーが明確でないものが多くあります。

 担当部門だけで報告書を作るのではなく、社内外との幅広い対話を通じて、それらを明確にし、どのような言葉で伝えたら理解されるのか、を意識することも大事です。

 こうした状況を克服して、自社独自の価値創造ストーリーを明確にした質の高い統合報告にするためには、自らが何をしたいのか(価値観やパーパス)、その実現のために、どのようなやり方(ビジネスモデル)で価値創造をしていくのか、そのためにマテリアルな要素(リソース,特にインタンジブルズ)は何か、ということをわかりやすく結びつけて説明する必要があります。そのための恰好のツールが「経営デザインシート(KDS)」(内閣府が2018年に公表※2)です。

 このセミナーでは、KDSを活用しながら、企業がパーパスを明らかにし、ESG要素を含む将来の価値創造のやり方、それに必要なリソース(インタンジブルズ)を描く方法、社外のステークホールダーと対話していく方法を体得していきます。

 インタンジブルズを特に強く意識してきたWICIならではのセミナーです。

 インタンジブルズは、財務資本や有形資産と異なり、中長期にわたって企業に蓄積されてできるものであり、他者が簡単に真似できるものではありません。知的財産権はその一例ですが、企業文化リーダーシップチーム力顧客・取引先や従業員との信頼関係コア人材など、人的資本を含む幅広いものが価値創造を他社と差別化するインタンジブルズです。

 経営デザインシートを描き、それをベースに対話することで、自社の価値創造ストーリーと、そのために必須なインタンジブルズ(とその役割)が認識できます。経営デザインシートの作成を通して、統合思考に馴染み、価値創造ストーリーを明確にし、統合報告の質とともに経営全体の質を高めていくきっかけを、セミナーに参加されたみなさんがお持ち帰りになることを期待しております。

※1 KPMGサステナブルバリューサービス・ジャパン「日本の企業報告に関する調査2021」p.65

https://assets.kpmg/content/dam/kpmg/jp/pdf/2022/jp-corporate-reporting-20220406.pdf

※2 首相官邸HP 経営デザインシート ー経営をデザインするー

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/keiei_design/siryou01.pdf

 経営デザインシートは、コーポレートガバナンス・コードを改訂した東京証券取引所からも、知的財産への投資に関する開示の質の向上のためのツールとしても期待されています。 
https://faq.jpx.co.jp/disclo/tse/web/knowledge8347.html

プログラム
WICIジャパン統合報告セミナー2023[支援会社向け] 

(講師の敬称略,演題等は変更の可能性があります)

  • 第1回、第2回、第5回は並行開催の事業会社向けとの合同開催です。
第1回
2023年2月2日(木)18:30 – 20:30
演 題 経営デザインシートで描く自社の将来
講 師 住田孝之氏、高橋佳子氏
ワーク 参加者の所属する自社の経営デザインシートを、3年から6年の中期の未来について、自社の価値感を起点として作成する

ワンポイント 鈴木健治氏 統合思考とインタンジブルズの情報源
第2回
2023年3月6日(月)  13:05から14:50
演 題 海外事例から学ぶ アフターコロナで求められる3つの開示ポイント
講 師 三代まり子氏
ワーク 海外事例の良いところを参考に、サステナビリティーを統合した7年以上の長期の未来について、自社のインタンジブルズを起点に、(シナリオに応じた)経営デザインシートを作成する。
意欲的な方は、既存のお取引先や、本セミナーでご紹介する企業の統合報告書等を参考に、手元のExcelファイルで経営デザインシートを作成いただけます。

ワンポイント 竹下貴恵氏 対話によるKDS作成の実践例
第3回
2023年3月23日(木)  13:05から14:50
演 題 統合思考の醸成による企業価値の向上-経営デザインシートを活用したパーパス策定-
講 師 三井倉庫ホールディングス株式会社 柏原英里氏
ワーク 三井倉庫HDのパーパスを起点にKDSを作成し、その価値創造ストーリーのKPIを探る
第4回
2023年4月11日(火)  13:05から14:50
演 題 長期ビジョンと統合されたサステナビリティ戦略(リスクから事業機会へ)及びそれを支える研究開発・知的財産
講 師 積水化学工業株式会社 井上世菜氏
ワーク バックキャスティングで積水化学工業の共通資源を抽出し、事業ポートフォリオの経営デザインシートを作成する
第5回
2023年5月18日(木)18:30 – 20:30
特別ショートスピーチ 高橋範江氏 統合報告領域の行方~統合報告書の保証は、どのようなものになりうるか?

成果発表会 受講者 自社の個性であるインタンジブルズによる長期的な価値創造(作成した経営デザインシートを使いながら発表)
コメンテーター: 住田孝之氏、高橋佳子氏、鈴木健治氏、機関投資家の他、WICIメンバーから参加予定
  • 各回とも、座学(講義)は1/3程度です。毎回、KDS作成等のワークがあります。
  • 各回、ワークの他に持ち帰り課題があります。
    • 第1回前 自社や所属部門の価値感(守るべき約束、創業理念、パーパス、長期ビジョン、自社らしさ、自分たちらしさ)を55文字以内の文章で表現しておく。

    • 第1回後 作成したKDSから自社の会社案内、Webサイト、経営計画書や統合報告などの構成や骨格部分の表現を振り返り、自社の価値感が表現されているページ(コンテンツ)を特定する。
       [次回への準備]自社のサステナビリティに関する目標や、TCFDの機会(に応じた自社製品・サービス)を再確認する。
       意欲的な方は、第2回のワークで、自社ではなく、既存のお取引先や、本セミナーでご紹介する企業の経営デザインシートを手元で非公開のExcelファイルで作成すべく、その企業の統合報告書など一読しておく。

    • 第2回後 社内で作品(KDS)を見せ合い、KDSをパワポで作成する。複数名で同一対象のKDSを作成した場合、話し合って1つのKDSにまとめる。その過程で、KDS作成対象企業(自社や支援先)の重要なインタンジブルズを特定し、価値創造ストーリーを数行の文章にする。
       [次回への準備]三井倉庫ホールディングス株式会社の統合報告書を一読しておく。

    • 第3回後 三井倉庫HDその他の事例企業のKDSを作成しまたは振り返り、過去10年間程度の売上高(成長率)、営業利益率、PBRの推移を前提に、重要なインタンジブルズを特定し、ありたい未来への価値創造ストーリーの証拠となるKPIを3つ選び、時系列でどのような開示ができるか、提案を準備する。
       [次回への準備]積水化学工業株式会社の統合報告書を一読しておく。

    • 第4回後 積水化学工業その他の事例企業のKDSを作成しまたは振り返り、事業ポートフォリオ、共通資源(各事業で共通して使われているインタンジブルズ)及び提供価値による価値創造ストーリーを描き、証拠となるKPIを3つ選ぶ。
      発表会に向けて準備する。発表資料「事例企業の個性であるインタンジブルズによる長期的な価値創造」の事務局への提出は、2023年5月15日(月)まで。

    • 第5回(本セミナー終了後) KDSを活用した経営や統合報告の実践について、受講者に発表いただく機会を作っていきますので、開示や対話について良い手応えが得られましたら、セミナー運営の事務局まで教えてください。

2020-2022 WICIジャパン統合報告セミナー 受講者の声

 事業会社向け統合報告セミナー

・参加者のレベル感に大きな相違がなく、ファシリテーターの方が上手にガイドしてくださり、よい議論が出来た。グループワークや参加者に発言を求めるスタイルは緊張感もあり、双方向のコミュニケーションが取れよかった。

・第一回のセミナーでは、経営デザインシートの各設問を1分ずつ埋めていくことが、時間も足りないうえに、あまり埋めることができず、ただただ難しいと感じました。ですが、一つ一つの講義はどれも興味深い内容でございましたので、講義への参加を通じて、またいろんな企業様とお話しさせていただくことを通じて自社らしさを考え、改めて認識することにもつながり、大変勉強になりました。特に様々な企業の事例を用いて説明してくださるので、なかなか自分では確認しないような海外企業の例など参考にできる部分改善していきたい部分を見つけることができ、楽しかったです。

・講師の方々のご説明が毎回丁寧で、統合報告書作成にあたり必要な知識を俯瞰して習得することが出来た。

・海外事例の紹介はポイントを抑えており、当社の統合レポートに足りない新たな視点を知るよいきっかけとなった。

・統合報告書=制作物を作る作業ととらえていたのを、統合報告について考えることは経営について考えることなのだと痛感。KDS作成は苦労したが、同僚とああでもないこうでもないと議論しながら、これが実現したら本当にわくわくするような未来になるなと思い、最後は楽しむ気持ちももてた。

•KDSは一人で完結させるものでなく、皆で作りながら多様な意見を集め議論しあうことで、会社の中長期価値をも生み出せるのではないか。

•KDSの考え方は既に統合報告で活用し始めている

・統合報告書が完成したら、1枚ペラに落とし込むことで自己理解を深め、 営業企画部門として統合報告書の社内での活用を促していきたい

作成支援会社向けセミナー

KPIやマーケティングなど、これまであまり触れてこなかった話を聞くことができたのは興味深かった。ワークやディスカッションが毎回駆け足だったので、もう少し考えたり、対話したりできる時間があるとよかった。

・KDSの考えを学び、価値創造の思考が深まった。また、事業会社の方や他の支援会社の方とディスカッションでき、自分にはない着眼点や発想に触れることができた。

・中途入社したばかりで、統合報告書の作成は今回が初めてのため、KDS作成については難しい部分もありましたが、自社についての整理がしっかりできる作りとなっており、今後も活用していきたいと思いました。他社企業の事業内容を聞いてまとめていったり、KPI活用のポイントについての説明など、とても充実した内容だと感じました。

KDSや統合思考を経営へ反映するところまでアプローチできるようにしていきたい。

・ KDSをベースにして関係者で議論することで、長期的価値創造にむけて考慮すべき要素を、網羅的・俯瞰的に検討しやすくなり、統合思考に基づいた経営を推進し、統合報告の質を高めるための良い共通言語となり得ると感じた。

・今後のコンサルティングや統合報告の支援過程で、この考え方を活用して行いたい

・ 本セミナーに参加して、普段考えない視座に身を置くと新しい世界が見え始めた。また、作ったKDSを実現させるために必要な取組を始めると、壁がより鮮明に見えてきた。

統合報告セミナー [支援会社向け] お申し込み

お問い合わせ:
(WICIジャパン事務局) wj-info@wici-japan.com

(運営担当 鈴木健治)wici-j@kval.jp