WICI Japan主催 統合報告セミナー

WICIジャパン 統合報告セミナー 受講者募集

→募集要項PDFダウンロード

【開催趣旨】

 統合報告を公表する上場企業はすでに300社にのぼっており、その数は年々増加傾向にあります。しかしながら、統合報告書には、備えるべき要件を記したガイドラインはあっても、従うべきルールに基づく定型様式はありません。そのため、統合報告に取り組もうとするときに、多くの企業が実践にあたり、様々な壁に直面しているようです
 統合報告は、簡潔に述べれば、1)「統合思考経営」と2)「統合報告書」から構成されています。1)「統合思考経営」とは、多様な機能で構成されている組織の事業を、自らの使命として取り組む価値創造活動から観るとどのように連関しているかを確認し、それを共有して組織の内外のステークホルダーと共に経営者が事業活動に取り組むことに他なりません。また、2)「統合報告書」は、その経営活動の全体像を俯瞰できるようにするための主要な概念を明らかにしたうえで、価値創造活動の要点を非財務データと財務データの繋がりを示しつつ簡潔明瞭にまとめた活動成果を報告するとともに、事業を持続させる機会とそれに伴うリスクを語るコミュニケーション手段と言えます。
 そこでWICIジャパンでは、長年の研究や実務における専門家を講師に迎え、統合報告をしっかり理解し、制作に繋げる知識と考え方を学び習得する、本格的セミナーを開催することにいたしました。

【目  的】

1) 統合報告が組織の運営にどのように貢献するのかについて、具体例を紹介することを通して認識を深め、自組織における活用策を考える。単に統合報告書の作成手法の習得にとどまるものではなく、統合思考経営の基軸ツールとしての統合報告書の役割を学ぶ機会とします。
2)伝統的な財務報告とそれに基づく財務分析手法だけでは適確な経営分析が行えなくなってきた背景を整理し、その対応策として提示されてきた主な提案の軌跡を辿るとともに、「国際統合報告審議会(IIRC)」が提案した「統合報告フレームワーク(<IR>FW)」の長所および残されている課題を具体的に示しながら、統合報告が公開会社の投資家との対話(engagement)にとどまるものではないことへの理解を促し、他のステークホルダーとの対話に拡張し、社会との対話に繋げる途を探る機会とします。
3)CSR、ESGあるいはCSV等の企業を主たる対象にした組織の社会責任を問う世論に前向きに対応するカギをどこに求めたらよいのかを、国連が問うSDGsを手掛かりに考え、統合報告の活用可能性を考える機会とします。
4)上記で取り上げる三つの事項については、必ずしも正解が一つ得られるというものではない。講師と受講者とが、ときにはグループ別に分かれ、意見交換を重ねながら、当面の解決策を探る機会とする。また、参加者には自社ないし選択した企業の統合報告書を作成する前段階として重要な統合報告書の「台割り」を作成することを最終目標とします。

【開催要領】

主催者WICIジャパン(開催担当 宮永 雅好 理事)
開催時期2017年9月上旬~同年11月末までの間に、1回3時間のセミナー4回を開催する。      
開催時間は、各回とも 18:00~21:10(約3時間)。第1回から第3回までは、1時限(18:00~19:20)と2時限(19:40~21:00)の2コマ構成とし、時限間に20分の休憩時間を設けます。各時限は講師による問題提起と受講者とのディスカッションにより構成。
会  場東京理科大学大学院 神楽坂PORTAビル5F p-51教室
〒162-0825 東京都新宿区神楽坂2-6 電話 03-5228-7691

【プログラム】(敬称 略)

第1回 2017年9月6日(水)「イントロダクション・・・統合報告とは」

講義と講師:
「<IR>FWに至る経緯」花堂 靖仁(WICIジャパン特別顧問)
「<IR>FWの要点解説」宮永 雅好(東京理科大学イノベーション研究科教授)
※宿題(予定)「<IR>FWの精読と質問事項の提出」

第2回 2017年9月20日(水)「フレームワークと非財務データとの関係」

講義と講師:
「<IR>FWの活用とWIRF」三代 まり子(RIDEAL㈱代表取締役)
「SDGs等のCSR活動データを統合報告でどのように扱うのか」冨田 秀実(ロイドレジスタージャパン㈱ 取締役事業開発部門長)
※宿題「自社の企業の価値創造プロセスにIntangiblesがどのように関わり、CSR活動データを財務データと連関させるためには、どのようにしたら良いと考えるか」

第3回 2017年10月16日(月)「統合報告優秀企業報告書を読み解く」

講義と講師:
「統合報告優秀企業賞に向けてのステップ」内田 泰(日本精工㈱IR室長)
「統合報告優秀企業賞の審査のポイント」松島 憲之(三菱UFJモルガンスタンレー証券)
※宿題:「自社の統合報告書の作成に向けて、台割りを作成」

第4回 2017年11月27日(月)「自組織(自グループ)の統合報告書制作案の発表と評価」

18:00~20:30「作成した統合報告書の台割の発表と専門家からのコメント」
花堂、宮永の他WICI-J会員等がコメンテーターとして参加。発表とコメントの終了後に合評会を兼ねての会食会を開催。

募集人員組織経営関係社会人および学生(大学院生・学部生) 合計20~30名
受講料全4回分 会員以外の社会人は@¥20,000。学生は@¥5,000。
WICIジャパン会員の受講料は免除(ただし運営実費@¥5,000を負担)
募集要領ICIジャパンのホームページに掲載された応募用紙に必要事項を記入しお申込みいただき、指定金融機関に受講料等を事前にお振込みください。

統合報告に挑戦したいと思っている企業の関係者、また統合報告を作成したがまだ内容に満足できていない企業の担当者、統合報告書を介して企業経営への理解を深めたい学生、といった方々には、この機会に是非とも本セミナーにご参加いただき、優れた統合報告の制作と解釈につなげていっていただきたいと願っております。

Copyright© World Intellectual Capital Initiative